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おすすめの本 [所長の部屋]

月曜日、台風が来るっていう噂がありましたが、秋晴れです。

久々に、おすすめの本。東田直樹さんの『跳びはねる思考』です。 中学生の時に書いた『自閉症の僕が跳びはねる理由』が英訳をきっかけに国内でも評判になったことは記憶に新しいところですが、その著者の最新作です。しもごうのスタッフの中でも読んでみたいというものが多数おり、事業所の備品として購入しました。

この本、某新聞のこないだの日曜日の書評欄の売れている本コーナーで紹介されていました。へ~、こんな本が売れてるなんてホントかね、と思ってamazon見てみたら、なんと“社会学概論”というジャンルでベストセラーの第1位!!。ランキングを見てみると第2位は『人生を幸せにするヒント』、第3位は『健康第一は間違っている』。そのほか『すべてはモテるためである』 とか『日本の風俗嬢』とか、興味深いタイトルの作品の数々を抑えて堂々のナンバーワンとは。『韓国人による沈韓論』なんていう本より自閉症当事者の作品が売れているっていうのは、まだまだ日本も捨てたもんじゃないのかもしれません。

とか言っちゃって、実はわたくしまだこの本読んでません。ていうか、前作も前々作も読んでません。早く読みたいんですが、その前に、一緒に買った立岩真也『自閉症連続体の時代』川越敏司ほか『障害学のリハビリテーション』 を読まないと。


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どう考えたらよいのか [所長の部屋]

っていう記事を活動ホームのブログに書きました。ご一読いただければ。

このブログも活動ホームのブログも、いわゆる中の人は複数おりまして、それぞれいろいろ書いているんですが、『所長の部屋』というカテゴリーは現状どっちも同じ人(つまりわたくし)が書いています。もうちょっとそこらへん整理した方がいいのかしら、と思いつつも、しばしば小難しいことを書いているこちらのブログを愛読していただいている方もおられるので(と信じて)、しばらくこのスタイルでいこうと思います。

というわけで、どちらもご愛読いただければ幸いです。 


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時代と名前 [所長の部屋]

夏休みが明けました。でも相変わらず暑いです。

今週末にひかり@東戸塚の『ぴっかり夏祭り』に出店します。

っていう記事を活動ホームのブログに書きました。

で、その中で、法人型地域活動ホームの施設名は個性的だということを述べています。

考えてみると、法人地活はほかにも『どんとこい』とか『ほのぼの』とか、個性的な名前がたくさんあります。一方の強化型地活の名前が軒並み地味であるのが時代を感じさせます。

横浜で地域活動ホームの整備が始まったのが約30年前、機能強化が進んだのが約20年前から。で、それらの評価と課題の上に新しいタイプの活動ホームとして設計されたのが法人型地域活動ホーム。強化型地活の名前が地味なのに対して法人地活の名前がハデであるっていうその陰に、30年の歩みがあるわけです。そう考えると地味な名前に重みを感じますね。 


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おすすめの本 [所長の部屋]

あついです。むしあついです。

暑い日は涼しい部屋でアイスコーヒーなぞ啜りつつ読書でも。というわけで、ひさびさにおすすめの本。

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小学館『日本国憲法』

世界に誇る不磨の大典が税込み540円ポッキリ!条文の合間に見開きでステキな写真がたくさんあるのがまたグー。

いろんな意味でいろんな意見があるけど、通読したことがある人って実は少ないのでは。障害児者支援に携わる人にとっても大事なことがいっぱい書いてあります。たとえば22条の居住と移転の自由に照らすと入所施設って(グループホームもか!?)どうなのよ、とか。もちろん『入所施設』とか『グループホーム』とかいう看板ではなく、きちんと“個”の生を支えるという視点に立っているかというその内実が問われるべきですが(13条には国民はすべて個人として尊重されるって書いてありますし)。

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最近は憲法を今風に解釈するのが流行ってるみたいで、厚労省にも地方自治体にもぜひ積極的な解釈による大胆な施策展開を望みたいところですね。

まあ、議員や公務員はこの憲法を守れって99条に書いてあるんで、難しいかな?


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地域作業所とは [所長の部屋]

梅雨明けの便りはありませんが、暑い日が続いております。

わたくし横浜市作業所連絡会の研究部会というところに所属しています。研究部会というのは市の予算編成に向けた現場からの要求とか、いわゆる政策提言みたいなのを取りまとめる部会です。

で、昨日のこと、その研究部会のメンバーと横浜市役所健康福祉局障害福祉部障害企画課のみなさんと意見交換の場に出席してきました。こちらは連絡会会長含め5名、先方は次期障害者プランの策定に中心的にかかわっている方々(係長1名、職員2名)、市社協の障害者支援センターの担当職員さんも同席してくださいました。

先日の記事でも描きましたが、 障害者プランは来年度から6年間の横浜の障害福祉施策をデザインする、たいへん重要な行政計画です。いまはその素案を練っているところ。昨日はそのプランのなかで日中活動の支援、とりわけ小規模な事業所についてどう位置づけるかについての話でした。

席上で、市の職員さんから“日中支援の施設/事業全体の中で、小規模事業所、特に地域活動支援センター作業所型の役割や存在意義はなんなのか”という問いかけがありました。

地域活動支援センター作業所型の特色は①小規模(最低定員10名)で事業を実施できること②利用にあたって区分認定や支給決定などの行政手続きが不要であること③補助金の算定基準が日々の利用実績ではなく登録人数であること、であると思います。

まず、①について。支援という営みはできる限り個別化するべきという原則に立っています。ひとりひとりの利用者と丁寧にかかわることためには小規模であることが望ましいというのは現場のだれもが持っている実感ではないでしょうか。また、ハードとしても30人とか50人とかが利用する施設となるとどうしてもでーんとした建物になり、『街の中にさりげなくある』という感じは難しくなります。家みたいだったり、お店みたいだったり、サロンみたいだったり、アトリエみたいだったり、小規模であるからこそ街の中にあって独自性が発揮できるのだと思います。

そして②について。障害福祉領域での地域ニーズは多様化の一途をたどっていて、そのなかには往々にしてそもそも『福祉』とか『手続き』とかいうプロセスになじまない(というか、そういうことになじめないから孤立している)ケースがあります。そのような地域ニーズに対して“まず動く”ということが可能なのはこの自由度の高さゆえです。

さらに③について。②に述べたようなケースに求められる支援は必ずしも『毎日通ってなにかをする』ということを実現することではありません。もちろんそれが目標となることは充分にあり得ますが、むしろ“体や気持ちの不調で安定的な生活リズムを確立できない”というような状況に寄り添い、少しずつかかわることが大切だったりします。状況に合わせて少しずつ丁寧に柔軟にかかわって、結果的にそれが『今日は通って(通えて)いない』としてもそれはきちんとした支援なのであって、それを可能にしているのがこの包括払いというシステムなのです。

以上まとめると、こじんまりといろんなことをしながらいろんなニーズにフレキシブルに応えることが地域活動支援センター作業所型の存在意義なのでしょう。そしてこのことは今の地域活動支援センター作業所型というサービス類型ができるずっと前、地域作業所が生まれ育ってきた時から変わっていないのだと思います。そして、その運営に障害者支援センターがコミットしているというのもサービスの質を担保する上で重要な点です。 

地域活動支援センター作業所型の存在意義とか独自性とかっていうのは別に今ここでポッと考えつく様なことではなく、地域作業所が長い歴史のなかで大切に育ててきたこと。それを改めて確認する機会になった今回の懇談、とっても有意義でした。

ただし、市の職員が地活センター作業所型の存在意義を問いかけたとき、なんとなくその裏に“なるべくなら市のお金を使う地活センターじゃなくて国費でできる個別給付(生活介護など)をやってよね”っていうニュアンスが感じ取れて、ちょっとアレでしたが。

 

 


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次期障害者プランの素案の骨子の案 [所長の部屋]

梅雨の合間の晴れ空、すでに夏のような陽気。

昨日・今日と桜木町の健康福祉センターに行ってきました。昨日は横浜市地域作業所連絡会として、今日は活動ホーム連絡会として、用件はいずれも『第3期障害者プラン素案骨子案についての説明会』。市の担当部局の担当係長さんと職員さんからいろいろと説明を受け、意見の交換をしました。(素案骨子案はこちらからご覧ください)

障害者プランは来年度から6年間にわたって市の障害福祉施策をどう進めるかという大変重要な設計図。いち事業者として、そして当事者の最も近くで支援に携わる者としていろいろと発言してきました。

施策推進の視点や個々の項目については改善してほしい点がたくさんあります。第2期の障害者プランの策定や、その中で生まれた『将来にわたるあんしん施策』を検討している中で何度も述べた意見を、そっくりそのまま今回もまた述べなければならないっていうのは若干残念です。でもまあそれはそれとして、『素案』の『骨子』のさらに『案』の段階でこのような懇談の場をきちんと設定し、これから骨子に肉付けをしてゆくプロセスでこの場の意見を反映させてゆこうという市の姿勢は素晴らしいと思います。

今回の説明に来てくださった係長や職員の皆さんは第2期の策定の時には担当部局にはいなかったし、第3期の6年を終えてその評価と次期のプランを策定するときにはすでに担当部局にはいないわけです。そう考えると、長く現場にいるわれわれがなにを考えどう伝えてゆくかは非常に重要なのだと思います。むろん実践として何を積み重ねてゆくのかも。

ただ同じことをしているだけでは未来はない。スペインのグループリーグ敗退を目の当たりにして、そんなことを感じています。 

 


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困っていること [所長の部屋]

木曜日、入梅との報せがありました。今年は梅雨が遅いっていう予報はどうなっちゃんたんだろうか。

さて、今日は最近ちょっと困っている、横浜市の『福祉のまちづくり条例』ことについて。

第2しもごうは横浜市の独自の要綱に基づいた『地域作業所』としてスタートして、自立支援法(当時)の市町村事業である『地域活動支援センター』 に移行しました。市内には我々と同じように作業所から出発して地活センターや生活介護などの個別給付事業に移行した事業所がいっぱいあります。そして、それらの事業所の中には店舗や事務所、住宅などの物件を借りて、利用者の状態像に合わせてリフォームして個性的な活動を展開している事業所がたくさんあります(むろん新築でその用途のために設計・建設された建物ももちろんありますが)。

で、こないだ改正された福祉のまちづくり条例によると、今後それらの事業所はどんなに規模が小さくても『福祉施設』という用途として指定されるため、一般の店舗や事務所より格段に厳しい設備の基準が適用されるとのことなんです。どんなに規模が小さくても。

基準の細かいことは省くとして(興味のある方はこちらをご覧ください)、これってうちみたいな小規模な事業所を作るときには非常に困ったことで、廊下の幅は140センチ、トイレは車いすが展開できる広さでオストメイト対応、避難路は2方向となると既存の物件をリフォームして使用することはほぼ不可能になりますし、新築するにしても坪単価が高騰して地主さんに建ててもらって家賃で償還してゆくというやり方もかなり難しくなります。事実上、小規模事業所を新規に立ち上げること(移転も含む)はかなり困難なってしまいます。ていうか、なっています。

作業所にルーツを持つ小規模事業所にとって、街の中で・街に溶け込んで活動するっていうのはとっても大切にしているエッセンスです。『福祉のまちづくり』という名のついた条例によってそれらの事業所が活動に制約されてしまう(ていうか現にされてしまっている)、あるいは“街の中”とは言い難い郊外の市街化調整区域などにしか新設できないとしたら(郊外にあってはダメっていうことではありませんし、現にそういう立地を生かして個性的な事業を展開してるところもあります。ただし、市街化調整区域の開発もそれはそれで非常に審査が厳しくなっています)、本末転倒このうえない話です。ただでさえ今後養護学校・特別支援学校の卒業生は増加傾向にあるから卒業後の日中活動を増やすことが求められている状況だっていうことは市もわかっているはずなんですが、なんでこんなことになっているのか・・・。

ちなみに、大枠で福祉関係ととらえられる事業のなかで唯一面積が少ないことによる条例の適用が除外されているのが認可外保育所です。入園待機者ゼロが市長の肝いりだから建築局が気をまわしたのかどうかはわかりませんが、保育所はOKで作業所はNGっていうのも飲み込みにくい話です。

というわけで、困っています。 

 追記;実はもう一つ困っていることがあって、それについては活動ホームのブログに書きました。現象は違うけど、おんなじ構造で起こっている困りごとです。健康福祉局にしろ、建築局にしろ、職員や管理職のみなさんが責任感と熱意を持って職務に臨んでおられることは疑いありません(たぶん)。だからこそ、ボタンの掛け違いみたいなことで当事者が困ったことになってしまうのは残念です。 


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続・おすすめの本 [所長の部屋]

月曜日、ようやく春めいてきました。この調子であったかくなるのか、それともまた思い出したように寒い日が来るのか。

このあいだ書いたおすすめの本についての記事の続き、活動ホームのブログに書いてみました。 

工場で起こっていることと障がい児者支援の現場で起こっていることのドキッとするような共通点について。よろしければご一読ください。 


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おすすめの本 [所長の部屋]

月曜日、なかなかあったかくなりません。でも梅はあっちこっちで咲いています。

なかなか面白い本に出合いました。

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小関智弘『鉄を削る』 ちくま文庫

福祉とは全く関係ありません。筆者は大田区の町工場で旋盤工として長く働きながら執筆を重ねた人で、他にも『ものづくりに生きる』『春は鉄までが匂った』など、タイトルからしてページをめくってみたくなる著作がたくさんあります。

 

『障がい児者を支援する』というのは固有の意義や目的を持った営みのような側面もありますが、その現場にいるスタッフはそれを職業として選んだひとりの『働く人』でもあるわけです。つまり、メーカーの営業さんと同じように(営業力やプレゼン力が要求される場面は結構頻繁にあります) 、バスの運転手さんと同じように(運転はけっこう必須に近いかも)、野球選手と同じように(体力!)、コンビニエンスストアの店員さんと同じように(なんでも屋?)、お笑い芸人と同じように(これが一番近いか!?)、社会のなかに固有の立ち位置をもっている社会人です。そう考えたときに、筆者が『働くという営為』に向けるまなざしの厳しさや温かさから、われわれが仕事をする上でも学ぶことがたくさんあります。

“熟練工の特質は、腕の器用さではなくて、仕事を見る眼にある。部分ではなく全体を見る眼を持っている。仕事の奥行きを見る眼を持っている。仕事に取り掛かる前に、その仕事をするためにはどんな注意が必要か、どこが急所か、どんな道具を用意すべきかを見抜く眼を持っている”

 これはNC旋盤という精緻な工作機械で難しい形のものを削る技術について書かれた一節ですが、まるまるそのままわれわれの仕事にも当てはまるような気がします。

“恥をさらすことなしには生きられないのが現場というものだろう。恥をさらすことができることができるのが現場であり、そういう現場だけが職場と呼ぶにふさわしい”

う~ん。確かに。

 

余談ですが、筆者は町工場が軒を並べる大田区に生まれ育ち、10代半ばから旋盤工として働き始めた、筋金入りの職人さんで、履歴書的にはいわゆる高学歴とかインテリとかではありません。でも、その文章は匂い立つような美しさで、工場で使われている職人用語から日本人の神話的由来を洞察するような知性と教養の持ち主です。なんとなく、学校にも行かず季節労働者として中西部を放浪した末にカリフォルニアで港湾労働者として働きながら数々の著作をものしたアメリカの哲学者エリック・ホッファーにも通ずるような気がします。労働と思索に人生を捧げた人だからこそ語れる言葉があるのだと思います。

エリック・ホッファーの本もそのうちとりあげてみよう。 

 

 

 

 


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年度の振り返り [所長の部屋]

金曜日、よく晴れたけど風が冷たい一日でした。

2月の後半から何回かに分けて、職員みんなで年度の振り返りをしています。日々バタバタと過ぎていくなか、うかうかしているとバタバタの年度をまたいでしまうので、こういう振り返りをしっかりやることはとても大切です。

今日は、今年度の方針を参照しながら達成度を評価する、というセッション。

のはずでしたが、結局は『自立とは何ぞや』という果てしないフリートークに突入。出口なし。でも盛り上がりました。

そんな中で出てきたアイデア“昼夜逆転のひと向けに夜中オープンの作業所!”

斬新です。

いや、たぶんやらないけど。でも、“変わるべきは当事者なのか、それとも世の中や制度なのか”という問いかけは常に必要だし、既存の枠組みにとらわれない支援のかたちを提案してゆくことも支援者として大切な役割。そういう点では非常に光るアイデアだな~と思いました。

あんまり話は進まなかったけど、意義深い振り返りでした。 


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